【医学部受験応援コンテンツ】2020年度国立・私立医学部入試変更点について
2020年度国立・私立医学部入試でもすでに複数の変更点が示されています。自分にとって有利な変更がある可能性も考えて、志望校や併願校における入試変更点はしっかりチェックしておきましょう。定員の減少など、一見すると合格へのハードルが上がりそうな変更の場合でも、志願者が減ることでかえって有利に働くこともあり得ます。国立・私立医学部合格を目指すにあたり、入試変更点を踏まえた賢い受験戦略を立ててください。
島根大学医学部・広島大学医学部などで後期日程廃止
医学部合格を目指すにあたって、複数の日程を受験することで合格可能性を高めようと考える人は多いでしょう。2020年度の国立・私立医学部入試では、一部の大学で後期日程が廃止されます。対象となる大学が志望校に入っている人はしっかりチェックしておいてください。
国立医学部では、島根大学や広島大学、福島県立医科大学で後期日程が廃止されます。このうち、福島県立医科大学では後期日程分の定員が、前期と推薦に割り当てられる形の変更です。後期は廃止となりますが、前期や推薦で合格を狙ってみても良いでしょう。
私立医学部では、杏林大学で一般後期日程が廃止となります。ただし、センター利用後期日程が実施されるため、センター試験に自信がある人は狙い目です。杏林大学ではほかにもAO入試や一般前期入試で定員が変更となります。
筑波大学・関西医科大学では新たな入試がスタート
2020年度から新方式の入試がスタートする医学部もあります。
筑波大学医学部では、2020年度から研究型人材入試が導入されます。センター試験の受験も必要なので、興味のある人はセンターの出願も忘れずに行ってください。筑波大学では同時に前期の定員減・推薦の定員増も行われます。
関西医科大学医学部では、センター後期入試が新たに登場します。国公立医学部が第一志望の受験生も、センター試験が得意なら併願校として検討しやすいです。関西医科大学では2020年度から出願方法がインターネット限定となる点に気をつけましょう。
福島県立医科大学・久留米大学の変更点は浪人生に追い風か
福島県立医科大学と久留米大学では、浪人生に追い風といえる変更が行われます。
福島県立医科大学は、2020年度から推薦入試のA枠・B枠ともに前年度卒業生の出願を認めます。1浪で国公立医学部を目指しているなら、福島県立医科大学の推薦入試の受験を検討してみてください。推薦入試における県外の受験生の定員も7名から15名へと拡大されています。
久留米大学は、地域推薦枠の出願資格を「1浪まで」から「2浪まで」へと拡大します。2浪になると推薦入試の利用ができない大学も少なくない中、久留米大学医学部は2浪生も合格を狙いやすくなる変更です。久留米大学の地域推薦枠は、定員も15名から20名に拡大されています。
九州大学では2段階選抜の倍率が厳しく・2次面接の新設も
九州大学医学部では、2段階選抜の倍率が厳しくなります。2019年度までの4.0倍に対し、2020年度入試では2.5倍と倍率が大きく変更されます。センター試験を苦手とする受験生は、より丁寧な対策が求められるといえるでしょう。
あわせて、2次試験に面接が新設されます。この点については一定の対策が必要ですが、あくまでも既存の英語・数学ⅢB・物理・化学での得点力をしっかり高めておくことが望ましいです。
2段階選抜の倍率変更に加え、面接対策の必要が生じることから、九州大学医学部の受験を見送る受験生が出てくることもあり得ます。受験生が減ることでかえって合格チャンスが広がる可能性も考慮しながら、慎重に受験校の選定を進めてください。
定員変更を実施する国立・私立医学部も要チェック
2020年度から、定員を変更する国立・私立医学部も要チェックです。定員が増える入試でも受験生が集中することでかえって倍率が上昇するケースもあります。ほかの受験生の出願戦略も意識しながら、賢く国立・私立医学部合格を目指してください。
国立大学医学部では、福井大学で入学定員が110名から100名に削減されます。推薦Ⅱの募集定員が30名から20名となるためです。北海道大学でも前期が97名から90名に変更されます。私立大学医学部では、日本大学A方式が92名から97名に増える一方で、慶應義塾大学一般が68名から66名へとわずかに定員が減少します。
これらの他にも、細かな定員変更を行っている医学部が複数あるので、志望校や併願校の定員は必ずチェックしておきましょう。
大阪大学医学部前期は2次比率が大きくアップ
大阪大学医学部の前期日程では、センター試験と2次試験の配点比率が変更されます。従来は500:600でしたが、2020年度からは500:1500と2次試験の比率が大幅に上昇する変更です。2段階選抜におけるセンターの足切り点も900点満点中720点から630点に緩和され、足切り倍率も2.6倍から3倍への変更となります。
センター試験の重要度が極端に薄れる変更なので、センターが苦手で大阪大学医学部を敬遠していた人にはチャンスといえるでしょう。すでに大阪大学医学部を受験予定という人は、2次試験対策をより重点的に行うことが求められます。
変更初年度のため、従来とは合格者層にずれが生じる可能性にも注意してください。
大阪大学医学部