臨床実習(地域医療)2015年7月28日

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地域医療実習が終わりました。この実習では、個人で開業されている先生のクリニックを1日、中規模の病院を3日かけて見学しました。

 

クリニックのほうは、医師1名、看護師2名、事務員2名で運営されており、午前中は外来、午後は訪問診療を行っていました。アメリカでプライマリケアを勉強された先生で、帰国してからもアメリカ式の医療を提供しています。

 

アメリカでは、病気になるとまず地域のかかりつけ医の診察を受けます。この医師は幅広い病気を診る総合診療を行っており、必要に応じて適切な医療機関を紹介します。それだけでなく、患者が手術を受ける時には助手としてチームに入ったり、退院後のサポート(薬の処方や定期検査など)も担当します。患者にとっては、身近で常に頼りにできる存在なのです。この先生も、感染症から神経病まで幅広く診察していました。

 

このクリニックでは、スタッフの連携がうまくできていたことも印象的でした。外来では多くの患者が来院していましたが、ベテランの看護師がテキパキと対応していました。午後の訪問診療では、車で移動中に診察した患者の結果を電話でクリニックに残っているスタッフに伝え、すぐにカルテ記入をするようになっていました。

 

訪問診療は需要が高い割には、まだまだ行っている医師が少ないそうです。定期的に訪問を行うとなると、旅行に行くこともできず負担が大きいことが一因です。それでも先生は、「24時間いつでも対応します」と掲げており、大変立派だと思いました。

 

病院の見学は、それほど特別なところはなかったのですが、強いて言えば高齢者の割合が非常に高かったことが印象的でした。9割以上を占めていたと思います。これから高齢化が進むにつれて、ますます多くの高齢者が医療機関を受診することになります。現状でこれであれば、将来は病院のベッドは高齢者であふれかえってしまうのではないかという不安を覚えました。

 

次回は外科です。