STAP論文の問題について
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小保方氏の指導をおこなっていた笹井氏の自殺が大きなニュースとなりました。
彼は36歳という若さで京都大学の教授に就任した、細胞生物学分野の世界的な研究者でした。その後は理研の副センター長となり、研究だけでなく、予算の獲得やプロジェクトの推進など、マネージャーとしても優れた手腕を振るっていたそうです。
問題発覚後の記者会見では、論文作成には主体的には関わっていないと主張していました。しかし、内部関係者の証言や、小保方氏とやりとりしたメール内容、彼の関与後に論文構成が大きく変更され一流紙に論文が通ったこと、などから、STAP論文の作成に大きな役割を果たしたと考えられています。
大学では、複数の学生を指導する教官(特に教授)は、監督・アドバイザー的な役割に留まり、論文作成そのものにはそこまで関与しないことも多いです。したがって、部下の捏造が巧妙な場合には、よほど鋭い観察眼がない限り見破るのが難しいです。僕も当初は、笹井氏は若山教授他の共著者同様、小保方氏の捏造に巻き込まれた側であると思っていました。
しかし実際には、彼が追加を指示したとされる多数の図表のほとんどに不自然な点が見られ、これらを全て見落としたとは考えにくいです。状況から考えれば、笹井氏が不正や捏造を、少なくとも知っていた可能性は非常に高いと感じています。
しかし、日本を代表する研究者で、理研の副センター長という地位まで手に入れた彼が、どうしてこんなことに関わってしまったのかが依然理解できません。ノーベル賞級とまでいわれたSTAP細胞が世界に与えるインパクトは充分理解していたはずで、そうなれば論文を読んだ研究者が追実験を行うことも簡単に予想できたはずです。捏造が発覚すれば、今まで築いてきた信頼と実績が全て失われてしまうのに、どうしてこんなことをしてしまったのでしょうか?
小保方氏は、客観的に見れば絶望的な状況の中、どういうわけかSTAP細胞があるという主張を続けています。大した精神力ではありますが、笹井氏のように自殺するほどに追い込まれる前に、素直に非を認めてほしいものです。