MRI検査について
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ここしばらく頭痛がひどく、先週大学病院の神経内科に行ってきました。念のため、MRI検査を受けることになりました。ちょうど学校でも放射線科の試験もあったところで、どんな感じなのだろうかと期待して、昨日受けてきました。頭痛は先週の診察後にずいぶん良くなっており、幸い検査結果も問題ありませんでした。
MRIはMagnetic Resonance Imagingの略で、核磁気共鳴画像法と訳されます。人体の断面図を作成することができ、現在の医療には欠かせない重要な医療機器です。同じく人体の断面図を作ることができる機器に、CT(Computed Tomography)があります。CTは放射線を使用する、いわばレントゲン検査の進化バージョンです。一方、MRIは磁気を使用するという大きな違いがあります。このため、MRIには放射線被爆をしないという大きなメリットがあります。
原子に磁場をかけると、一時的に磁石の性質をもちます。磁石に釘をくっつけると、離した後しばらくの間、磁石のように他の釘をくっつけるのと同じです。MRIでは人体に大量に存在する水素原子をターゲットとして、この現象を観察します。正確には、一時的に磁石になった後、その性質を失っていく過程を観察します。人体の組織によって、失っていく過程が異なるため、これを利用して断面画像を作成するのです。
MRIでは、非常に強い磁場を発生させて検査するため、検査室には金属は一切持ち込めません。刺青に含まれる微量の金属ですらダメなのです!間違って金属を持ち込むと、体ごと引き寄せられるそうです。このため、病院では専用の服に着替えて検査を受けました。受けてみてびっくりしたのが、検査中の音です。大電流を使用するため部品の振動が生じ、ものすごい音がします。ごつい耳あてを使用するのですが、それでもうるさかったです。しかもCTが数分の検査時間なのに対して、MRIは30分ぐらいかかります。この騒音の中で30分はつらいものがありました。ちなみに、検査費用が保険適用でも7000円と高いため、財布もつらかったです。。。
次の日に結果を見せてもらったのですが、脳みそから血管まできれいに見えていて、感動しました。3次元モデルのデータをもらえたら嬉しかったのですが、さすがにそれは無理でした。
昔はメスで開かなければ、人体の中の病変を見ることが出来ませんでした。1895年にヴィルヘルム・レントゲンがX線検査を発明したことで、この常識が大きく変わりました。70年後には、ゴッドフリー・ハウンズフィールドが世界初のCTを開発し、3次元的に人体の病変を把握できるようになりました。同時期に開発が進められていたMRIも数年遅れて登場しました。今では、CTもMRIも機器の進歩によって、より鮮明、より高速に検査できるようになり、検査結果はコンピュータで3Dモデルとして構築できるようになりました。科学の進歩はすごいですね!