医学の研究とは

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医学部に入学したら、道は大きく分けて、臨床と研究に分かれます。臨床はいわゆる、お医者さんです。では、研究って何をするのでしょうか?

 

医学系の研究の分野はたくさんありますが、これも臨床系と基礎系に分かれます。

 

臨床系は、特定の疾患をターゲットにして、その病態や治療法を研究します。(例:発癌物質と肺癌発生に関する研究)大学病院では、各科(呼吸器科、心臓外科、耳鼻科、など)にそれぞれ教授がいて、彼らは診察なども行っていますが、同時に臨床系の研究室のボスでもあるのです。研究室の面々も、医師として大学病院に勤務する傍ら、週に何日か研究室で研究する、という先生が多いです。病院と直接関わっているため、人体組織のサンプルを扱うことも多いです。

 

一方、基礎系の研究室では、細胞がどういう仕組みをしているのか、を解明します。(例:癌化に関連する遺伝子の特定)遺伝子操作をしたマウスから、細胞を取り出して、顕微鏡で覗く、みたいなイメージです。臨床系と比べて、成果が人間に活かされるまで時間がかかりますが、その一方で、多くの生物に共通する重要な性質を発見したりします。iPS細胞の発見で有名な山中先生は、こちら側の先生です。実験には非常に長い時間がかかり忙しいため、医師もやりつつ、というケースは稀です。

 

医学科の学生は、臨床の道へ進む人がほとんどで、卒後すぐに基礎研究をはじめる人は学年で1、2人しかいません。多くの理系学部では、学部を卒業した後に大学院へ進学するのが一般的であることを考えると、非常に少ない数字です。このため、基礎系の先生が講義に来ると、大抵の場合、最後の10分くらいは自分の研究紹介と研究の道への勧誘を熱心に行います。

 

研究者になる人が少ないのは、医学部が6年制であることや、医師という職業が安定しているから、だと思われます。学校側は、もっと多くの学生に研究者になってもらいたいと考えており、いろいろ努力しています。例えば、僕の学校では3年次と6年次に1ヶ月ずつ、研究室配属があり、研究を体験できるようになっています。また、4年次終了後に大学院へ編入して博士号を取得し、その後5、6年次に復学するというMD・PhDコースも用意されています。

 

大抵の研究室は、見学を歓迎してくれます。興味のある研究室をちょっと覗いてみると、研究に目覚めるきっかけになるかもしれません。

 

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