中国の期限切れ肉の問題について

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中国の会社による使用期限切れの肉供給が問題になっています。中国国内だけの話ならば、またか、ということで済まされたのかもしれませんが、今回は、マクドナルドやファミリーマートもこの肉を使っていた、ということで日本でも大きなニュースとなりました。

 

以前テレビで、上海で働く食品Gメン(食品偽装や不正な加工処理をした商品を見つける捜査員)を取り上げた番組をやっていました。街の市場やスーパーをパトロールして、怪しい食品を集め、それを食品衛生局へ持ち込むのですが、その場で検査して禁止された添加物や、許容量以上の農薬が検出されても、役人が全く対処してくれないのでした。余りに多すぎて対処したところで追いつかないのと、中国の役人のやる気がないのが相まって、食品衛生局は全く機能していないようでした。今回の件はよく重い腰を上げてくれた、といったところです。

 

日本では、農家のおじさんの写真つきの野菜など、買い手から生産者が見えるようにして品質や安全をアピールし、それを付加価値とする考え方が広まってきています。しかし中国では、品質は気にせず、売れればいい、という考え方がまだまだ根強く、それが変わらない限り、こうした問題はどんどん出てくるでしょう。日本で高付加価値が重視されるようになったのは、人々が豊かになり、ただ安いだけの製品に満足しなくなったからです。中国でも富裕層が増えて、一部では高付加価値製品の人気が高まっていますが、まだ安い製品を求めている人々は大勢います。そう考えると、中国が安全な食品を供給するようになるには、まだ時間がかかりそうです。

 

これも氷山の一角であると考えると、知らないうちに有害な食品を食べてしまっていそうで心配になってきますね。普段はマクドナルドは行きませんが、このニュースを聞いてますます足が遠のきました。このニュースもすぐに過去のものとなってしまうのかもしれませんが、企業には食の安全の問題が出てくるたびに管理体制を強化し、それを継続していってほしいものです。そうすれば、生産側の中国でも安全意識が高まるのにも、役立つことでしょう。