2015年 高知大学医学部 化学 過去問 解説

解答方式

時間

大問数

難易度

記述・論述・計算

120分・2科目

6問

標準

■設問別分析

大問

区分

内容

難易度

1

理論

【ヨウ素と水素の反応の平衡、熱化学方程式とルシャトリエの法則、ハーバー・ボッシュ法・触媒の必要性】

平衡定数を使った計算に関しては慣れが必要。手早く計算して正解したい。平衡の移動についての説明はルシャトリエの法則から容易。工業的製法における触媒の必要性についての論述も簡潔に説明できるように準備しておこう。

標準

2

有機

理論

【芳香族化合物の構造決定とエステル化】

実験結果によって与えられる条件に添って考えれば、比較的容易に組成式・構造式は決定できる。計算問題も含め、この種の問題としては解きやすい。

3

理論 【燃料電池と鉛蓄電池の反応】

燃料電池については、問題にリン酸型・アルカリ型の区別の説明がなく、どちらについて解答してよいのか判断できないので不親切。燃料電池・鉛蓄電池について酸化還元式での理解ができていれば、計算問題は難しくはない。

標準

4 理論 【混合物の分離】

溶媒・温度・酸など、溶け方の違いを利用して不純物を除去する手法の説明。論述形式なので簡潔に説明できるように。

5 理論 【過酸化水素の分解反応と反応速度】

過酸化水素の分解で、酸化鉄が触媒として働いていることに注意。実験手法に関する論述は、やや難しい。計算問題は易しいので全問正解をしたい。

6 有機 糖、エタノール、アミノ酸の性質と構造】

α-グルコースとβ-グルコースの構造式、グリシンとアラニンの構造式は暗記が必要だが、全体的に基本的な内容。全問正解したい。

■傾向と対策:基本から標準の問題を幅広く出題。試験時間に対して問題数が多い。

それぞれの問題は基本的内容が中心で決して難しくはないが、大問が6問という構成なので、出題範囲としては広範囲に感じる。論述問題で余計な時間をかけてしまうと、理科2科目120分の試験時間なので他の解ける問題を落としてしまう危険性がある。まず確実に計算問題などを埋めてしまってから、論述問題を簡潔に解答することで高得点を狙いたい。