2025年度医学部入試!知っておくべき新課程ポイント

2025年度入試より、新課程に対応した入試がスタートします。2022年度に高校生へ入学した生徒から始まった新課程に対応する形です。2025年度医学部受験生においても、新課程のポイントを知り、医学部合格に有利な戦略を立てましょう。

2025年度からの主な変更点など

2025年度からは、大学入学共通テストの出題教科・科目が大幅に変更されます。科目の名称や内容、制限時間など、重要な変更点も多いです。

新課程において「情報」が必修科目となった影響で、共通テストでも国立大学医学部を中心に「情報」の受験が必須となるところが多い点は、特に大きな変更といえるでしょう。

大学入学共通テストの再編に伴い、医学部でも入試科目を変更しているところがあります。まずは2025年度入試における変更点をしっかり理解して、志望校選びや効率の良い医学部受験対策に役立ててください。

また、各医学部において、大学入学テストを含めた配点割合の変更や、募集人員の変更などが順次発表されています。日程や配点など合否に直結する変更もあるため、2025年度医学部入試情報をこまめにチェックしておきましょう。

PMDでは「医学部入試変更点」をまとめたページも作成しています。

大学入学共通テストの再編など

大学入学共通テストの再編について、医学部受験生に影響が大きいと考えられる項目を詳しく見てみましょう。国公立医学部の受験生だけでなく、共通テスト利用入試を受ける可能性がある私立医学部の受験生も、大学入学共通テストの再編について正しく理解しておくことが大切です。

 

共通テスト「情報」の受験が必須となる国立大学医学部が多い

2025年度大学入試では、共通テストで「情報」の受験が必須となる大学が多く見られます。新課程において「情報」が必修科目となったためです。

大学入学共通テスト「情報」はプログラミングの基礎を問う内容となっています。従来の医学部受験生にはあまり馴染みがない内容のため、対策が難しいと感じるかもしれません。

まずは志望する医学部で「情報」の受験が必要かどうか、配点比率は何%くらいかを確認しましょう。医学部受験に「情報」の受験が必要な場合は、共通テスト形式の問題演習を早めに行い、対策を進めることが望ましいです。

 

国公立医学部医学科2025年度共通テスト【情報】の配点と割合一覧

 

「数学②」の試験時間延長(60分→70分)

2025年度大学入学共通テストからは、「数学②」が「数学Ⅱ,数学B,数学C」に一本化され,制限時間が60分から70分に延長されます。

試験時間が延長されるものの、解答すべき問題数も増えますので、制限時間の使い方に注意が必要です。過去問演習などで対策を行う際は、本番での時間配分について検討しておきましょう。

模試などで、2025年度からの新しい共通テストの問題数や時間配分に慣れておくのも有意義です。

 

「国語」の大問数増加、制限時間延長

2025年度大学入学共通テストでは、国語の大問数が増加します。「近代以降の文章」(現代文)の大問数が2→3に増える変更です。

医学部受験では、共通テスト国語のうち現代文のみが点数化されるところもあります。現代文のみを解答したい場合、2025年度からは共通テストで3問の解答が必要です。

大問数の増加に合わせて、制限時間が80分→90分に延長されます。現代文のみを解答する場合は時間に余裕がありますが、古典(古文・漢文)も解答が必要な場合は、時間配分に注意してください。

特に、古典をすばやく解答し、現代文にじっくり取り組む計画の場合、現代文で追加される大問1問を制限時間の延長分(10分)でこなすのが難しい可能性があります。事前に2025年共通テスト国語の大問数・制限時間に合わせた問題演習をしておきましょう。

 

「地理歴史」「公民」における科目再編

共通テストの社会科目では、2025年度から大幅な再編が行われます。主に地理系、歴史系、公民系の3種類に分かれます。医学部受験生の場合、社会を受験する場合も1科目だけというケースが多いですが、2科目を受ける場合は組み合わせの可否が複雑なため、特に注意が必要です。

医学部受験生が知っておくべき科目などの変更点

2025年度入試では、個別の大学でも様々な変更が行われます。そこで、医学部において科目・配点の変更を行う大学やその内容を具体的に確認してみましょう。

 

名古屋大学での2次試験国語廃止

名古屋大学では、2025年度入試から2次試験の国語が廃止されます。英語・数学・理科2科目と面接を受ける形への変更です。国語が得意なので、2次試験に国語がある国立医学部を狙いたい受験生は注意しましょう。

 

札幌医科大学での面接配点倍増

札幌医科大学では、2025年度入試において面接の配点が倍増します。配点比率も約14%(700点中100点)→25%(800点中200点)と高まります。面接対策を軽視せず、模擬面接を受けるなどして早めの対策を心がけてください。

 

聖マリアンナ医科大学での共通テスト利用入試の導入・廃止

聖マリアンナ医科大学では、新たに共通テスト利用入試が導入されます。聖マリアンナ医科大学を第1志望とする医学部受験生だけでなく、併願校として検討している人も知っておくと良いでしょう。
一方、愛知医科大学では後期の共通テスト利用入試が廃止されます。受験を予定していた人は注意が必要です。

 

関西医科大学での1次配点の変更

関西医科大学では、2025年度前期入試において1次試験の配点を見直します。英語・数学の配点がそれぞれ100点→150点に増加する変更です。理科の配点は100点×2科目のまま変わらないので、英語・数学の配点比率が高まることになります。英語や数学が得意、あるいは理科が苦手な受験生にとっては朗報です。

国立大学医学部と私立大学医学部の入試科目傾向

医学部入試においては、国立大学医学部と私立大学医学部で入試科目の傾向が異なります。

国立医学部のほうが必要な科目数が多いというイメージは多くの受験生が持っていると思いますが、2025年度医学部入試で必要な科目数や科目の種類をより具体的に見てみましょう。

国公立医学部受験に必要な大学入学共通テストの科目例

  • 「外国語」
  • 「数学Ⅰ、数学A」
  • 「数学Ⅱ、数学B、数学C」
  • 「国語」「情報」
  • 「理科(2科目)」
  • 「地歴公民(1科目)」

国立大学医学部では、6教科8科目の受験が必須となる場合が多いです。新科目の「情報」を含めて多くの教科・科目の対策が必要なので、早めに学習計画を立て、過去問演習などを効率よく進めることが大切です。志望校における共通テストと2次試験の配点比率を確認し、対策にかけるべき時間配分を調整するのも良いでしょう。

 

私立医学部受験に必要な科目例

  • 「外国語」
  • 「数学」
  • 「理科(1〜2科目)」

私立大学医学部では、共通テスト利用入試、大学独自入試のいずれにおいても、4科目程度の受験が求められる場合が多いです。

ただし、私立医学部では、大学ごとの受験科目の差が大きくなっています。また、同じ大学でも入試方式による違いがある場合もありますので、丁寧な確認が必要です。「数学」「化学」「生物」から2科目を選ぶなど、選択肢が設けられている場合もあります。このような場合は、自分の得意・不得意だけでなく、必ず過去問を確認してどの科目を選べば医学部合格に近づけるのかを確かめてください。

まとめ

・2025年度医学部入試では大学入学共通テストの再編に注意
・国公立医学部入試では基本的に「情報」を含めた6教科8科目が必要
・私立医学部入試では4科目を選ぶパターンが多い