医学部志望校の参考に!「第113回医師国家試験合格率ランキング」をご紹介

医師国家試験

医師になるためには、医学部合格を果たすことのみならず、医師国家試験に合格することが求められます。そのため、医学部合格を目指して勉強に励んでいる受験生は、志望校選択の際に医師国家試験ランキングを把握しておくとよいでしょう。ここでは、第113回医師国家試験のデータを用いて、国公立医学部・私立医学部のそれぞれで合格率ランキングなどをご紹介します。

 

第113回医師国家試験結果の概略

2019年3月に第113回医師国家試験の合格発表が行われました。新卒合格率は国公立医学部・私立医学部ともに90%を超える値となりました。

国立医学部42校の合格率は93.4%という結果です。合格率が8割台の大学も見られますが、極端に低い値ではありません。国立医学部を卒業できるだけの学力を習得していれば、医師国家試験に合格できる人が多いことがわかります。

 

公立医学部は8校と数が少ない中のデータですが、合格率は94.5%と国立医学部を上回りました。全8大学とも合格率が9割超となっており、多数の不合格を出している大学がない分、全体の合格率も高い値を示したと考えられます。

 

私立医学部は国公立医学部と比べるとやや合格率が低く、91.5%でした。合格率が7割台後半という大学が見られたほか、出願者数に対して受験者数が極端に少ない大学もありました。出願はしているものの、合格可能性が低いなどの理由で大学側が受験をストップさせている可能性があると言えるでしょう。

 

国公立医学部医師国家試験合格率ランキング

国公立医学部医師国家試験合格率ランキングでは、弘前大学が98.3%でトップとなりました。出願者数(118名)の全員が受験しており、受験回避によって合格率が水増しされていることもありません。偏差値が高いことで知られる東京大学は38位、京都大学は33位などとなっており、必ずしも入試偏差値と医師国家試験の合格率が比例していないことがわかります。

 

2位に札幌医科大学、3位に大阪市立大学、4位に横浜市立大学がランクインしており、公立大学がランキング上位に多数入っています。国立医学部だけを受験予定の人は、医師国家試験の合格率が高い公立大学も検討対象にしても良いかもしれません。

国公立国家試験合格率上位5校

大学名 113回新卒受験者数 新卒合格者数 新卒合格率
弘前大学 医学部 118 116 98.3%
札幌医科大学 医学部 100 98 98.0%
大阪市立大学 医学部 90 88 97.8%
横浜市立大学 医学部 84 82 97.6%
筑波大学 医学群 114 111 97.4%

国公立医学部全体のランキングはこちらから

 

私立医学部医師国家試験合格率ランキング

私立医学部の国家試験合格率ランキングでは、自治医科大学が100%でトップとなりました。出願者数129名に対して受験者数が124名とやや減少していますが、受験生全員が合格している点は特筆に値します。2位の順天堂大学(99.2%)や3位の東京慈恵会医科大学(98.2%)なども高い合格率を誇っています。

 

いっぽう、福岡大学が75.2%で最下位、岩手医科大学、帝京大学なども合格率は8割台前半と低めの値となりました。私立医学部ではそもそも出願者数と受験者数の開きが大きい大学も少なくありません。私立医学部を複数受験する人は、国家試験合格率も参考にして受験校を絞り込むのも1つの方法です。

私立国家試験合格率上位5校

大学名 113回新卒受験者数 新卒合格者数 新卒合格率
自治医科大学 医学部 124 124 100%
順天堂大学 医学部 120 119 99.2%
東京慈恵会医科大学 医学部 113 111 98.2%
昭和大学 医学部 116 113 97.4%
杏林大学 医学部 111 108 97.3%

私立医学部全体のランキングはこちらから

 

国公立医学部進級ランキング

医師国家試験の新卒者には修業年限を超過して卒業したばかりの受験生も含まれています。そのため、新卒合格率と合わせてストレート卒業率のランキングもチェックしておきましょう。

ストレート卒業率のトップは東京大学(100%)です。平成25年度入学者の全員がストレートで卒業したことになります。北海道大学(97.1%)、秋田大学(96.0%)も9割台後半のストレート卒業率です。

いっぽう、佐賀大学(72.6%)、群馬大学(74.0%)をはじめ、ストレート卒業率が8割を下回っている大学もあります。無理に進級させることは好ましくありませんが、ストレート卒業率が低いということからは、どこかの段階で進級に失敗している学生が少なくないことがわかります。

国公立ストレート卒業率上位5校

大学名 平成25年入学者数 最低修業年数での卒業者数 ストレート卒業率
東京大学 医学部 101 101 100%
北海道大学 医学部 102 99 97.1%
秋田大学 医学部 124 119 96.0%
岡山大学 医学部 120 114 95.0%
熊本大学 医学部 116 109 94.0%

国公立医学部全体のランキングはこちらから

 

私立医学部進級ランキング

私立医学部のストレート卒業率は、国公立医学部と比べるとやや低めです。トップの東京女子医科大学(95.5%)、2位の自治医科大学(95.1%)が9割台後半と高水準になりました。

ランキング下位は帝京大学(64.5%)、川崎医科大学(72.7%)などと上位との差が大きくなっています。ほかにも東邦大学や兵庫医科大学などストレート卒業率が8割未満の大学が13校と私立医学部の約半数を占めています。

私立ストレート卒業率上位5校

大学名 平成25年入学者数 最低修業年数での卒業者数 ストレート卒業率
東京女子医科大学 医学部 112 107 95.5%
自治医科大学 医学部 123 117 95.1%
順天堂大学 医学部 128 119 93.0%
産業医科大学 医学部 105 97 92.4%
慶應義塾大学 医学部 112 103 92.0%

私立医学部全体のランキングはこちらから

 

国公立医学部・私立医学部6年間ストレート合格率(参考値)

医学部に入学するからには、ストレートで卒業し、医師国家試験も一発でクリアしたいところです。そこで、ここでは、「平成25年度入学者のストレート卒業率」×「第113回の新卒合格率」で「ストレート合格率」という指標を算出してみました。新卒合格率には「修業年数を超過した新卒生」が含まれるため厳密なストレート合格率とはやや異なりますので、参考値として考えてください。

 

国公立医学部のストレート合格率は最北の北海道大学が93.4%、東京大学は92.2%、九州大学で77.6%などとなりました。

いっぽう、私立医学部は岩手医科大学で66.9%、慶應義塾大学88.7%、久留米大学71.0%、福岡大学59.5%などとなりました。国公立医学部と比べるとストレート合格率は低めの大学が多いです。また、値のばらつきも私立医学部の方が大きくなっています。

まとめ 「第113回医師国家試験合格率ランキング」いかがだったでしょうか?これから医学部受験を控えている皆様の、志望校選定の参考になれば幸いです。PMD医学部専門予備校では、医学部入試の専門家であるプロ講師による徹底した医学部入試対策、AIを活用した基礎学力向上公認心理師による学習カウンセリングなど、幅広く「2020年度入試への準備」をご用意しております。入試に対して不安がある皆様のご質問やお問い合わせ等お待ちしております。