【海外医学部留学】の進学はアリ?通信制高校生向け海外医学部情報
はじめに
医学部を目指す通信制高校生にとって、国内の医学部だけでなくEUの医学部をはじめとした海外医学部への留学も選択肢の一つになります。海外医学部は、日本国内の医学部と比べて学費が安い・入学しやすい・英語で学べるなどのメリットがありますが、その一方で、卒業後のキャリア・医師国家試験の受験資格・言語の壁などの課題もあります。
本記事では、通信制高校生が海外医学部に進学する際に知っておくべきメリット・デメリット・学費・卒業後のキャリアについて詳しく解説します。
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1. 海外医学部留学のメリット
1-1. 日本の医学部よりも入学しやすい
日本の医学部受験は非常に競争率が高く、偏差値も全国トップレベルの大学ばかりです。一方、海外医学部は、入試の倍率が低く、日本の医学部よりも入学しやすいという特徴があります。
特に、日本のような「共通テスト+二次試験」という厳しい選抜方式ではなく、面接や英語試験のみで入学可能な医学部もあります。これにより、国内の医学部受験に自信がない人でも医学を学ぶチャンスを得られます。
1-2. 学費が比較的安い(国による)
日本の私立医学部の学費は6年間で最低でも2,000万円以上かかるのが一般的です。
一方で、EU加盟国他東欧・アジア・カリブなどの海外医学部では、6年間で500万円~1,500万円程度で医学を学べる国もあります。
通信制高校生の中で、経済的な理由で日本の医学部進学を諦めている人にとっては、海外医学部留学の学費の安さは大きなメリットとなります。
1-3. 医学を英語で学べる(グローバルなキャリアに有利)
海外医学部では、英語で授業が行われるコースが多いため、医学と同時に英語力も向上します。
- 英語で医学を学ぶことで、国際的な医療の場で活躍できる可能性が広がる
- 海外の医療機関で働きたい場合、スムーズにキャリアをスタートできる
- 医学論文や最新の医学研究に触れやすくなる
近年、日本の医療現場でも外国人患者の対応や、海外との連携が求められることが増えているため、英語で医学を学ぶことは大きな武器になります。
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2. 海外医学部進学のデメリット
2-1. 日本の医師国家試験の受験資格に注意が必要
海外の医学部を卒業したからといって、そのまま日本の医師国家試験を受けられるわけではありません。
文部科学省が認めた医学部でなければ、日本の医師国家試験の受験資格を得ることができません。そのため、**進学する前に「その大学が日本の医師国家試験の受験資格を得られるかどうか」**を必ず確認する必要があります。
【例】
- フィリピンの医学部 → 条件を満たせば受験可能
- 中国の一部の医学部 → 日本の医師国家試験の受験資格なし
事前に厚生労働省や文部科学省の公式情報を確認することが重要です。
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2-2. 言語の壁と文化の違い
- 授業は英語でも、現地の言語が必要な場合がある
- 実習時に現地の患者とコミュニケーションを取る必要がある
- 日本とは異なる医療制度・文化に適応する必要がある
東欧の医学部では、座学の授業は英語で行われても、病院実習の際には現地の言語が必須となることがあります。
例えば、ハンガリーでは、病院実習で患者とコミュニケーションを取るために、現地の言葉を学ぶ必要があります。 言語に自信がない人にとっては、大きなハードルとなる可能性があります。
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2-3. 日本での就職・研修のハードル
- 日本で医師として働く場合、追加の試験や研修が必要なことがある
- 日本の医学部卒業生に比べ、国内の病院での採用に不利なことも
海外医学部卒業後、日本で医師になる場合、医師国家試験に合格した後も、日本の病院での研修先探しが難しくなることがあります。
なぜなら、EUなど海外の医学部でのカリキュラムが日本の医療制度と異なるため、日本の病院側が教育の質を判断しにくいからです。そのため、卒業後に日本で働くことを前提とする場合は、帰国後のキャリアプランをしっかり考えておくことが重要です。
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3. 通信制高校生におすすめの海外医学部は?
3-1. 日本の医師国家試験に対応している大学を選ぶ
海外医学部を選ぶ際は、文部科学省や厚生労働省の認定を受けている大学を選ぶことが必須です。
例えば:
- フィリピンの一部の医学部(国際認定プログラムあり)
- ハンガリー・チェコの医学部(EU圏内での医師資格が得られる)
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3-2. 予算・言語・卒業後の進路を考慮する
- 学費を抑えたいなら → フィリピン
- 英語でしっかり学びたいなら → ハンガリー・スロバキア
- 卒業後にEU加盟国、アメリカで働きたいなら → イギリス・アメリカの医学部
通信制高校生が海外医学部を目指す場合、自分の予算・英語力・卒業後のキャリアをよく考えた上で進学先を選ぶことが大切です。
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まとめ
海外医学部は、日本の医学部よりも入学しやすく、学費が安い、英語で学べるというメリットがありますが、一方で言語の壁・卒業後のキャリア・医師国家試験の受験資格には注意が必要です。
通信制高校生にとっても、海外医学部留学は日本の医学部にこだわらず、医学を学ぶ選択肢の一つになり得ます。しっかりと情報を集め、自分に合った進路を選びましょう!