関西医科大学医学部│数学の傾向と対策

関西医科大学医学部の傾向と対策(数学)を、年度ごとに掲載しております。過去から遡って確認する事により、より良い傾向を掴み対策を立てることが可能です。

※難易度・スピードの☆印は5段階評価になります。

2020年度入試

科目 数学 解答時間 90分
難易度 ☆☆☆ スピード ☆☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 小問3問 (1)無理数の計算 (2)対数方程式 (3)要素の存在範囲が不等式で表された集合 空所補充 やや易
2 図形と方程式、図形の性質、極限 定円に対して、条件を満たす放物線と直線の位置関係 空所補充
記述
標準
3 確率 2種類2枚ずつのカードを含む、4種類6枚のカードを並べるときの確率 記述 標準
4 複素数平面 条件を満たす複素数平面上に描く図形 記述 標準

傾向と対策

大問4題の空所補充形式と記述式のハイブリッド型の試験である。出題範囲は数学Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、A、B(数列・ベクトル)で、大問のうち1つは微・積分法から出題されることが多い。難易度は標準的だが、試験時間が90分と短く余裕はない。そのため基礎力と正確な計算力が必要であり、さらに近年は記述式の設問が増えていることから記述力も身につけたい。

2019年度入試

科目 数学 解答時間 90分
今年から全問記述式に変更された。 微積分 整数論
難易度 ☆☆☆☆ スピード ☆☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 整数論 合同式を用いることにより一瞬で解答することが可能。標準的な出題内容であり正答がかなりきれいな数字となるため受験生は自信をもって解答できたであろう。5分程度で完答することで他の大問に時間を回したい。特に今年などは大問4は残り時間がそのまま点数に直結するような問題である。ただし、互いに素という文言が抜けていると大幅な減点となった可能性がある。気を付ける必要があるだろう。また合同式に慣れていない受験生は不定方程式を用いて解答することになるが、こちらも計算量がやや多くなるものの典型的な出題であるので解答は容易であろう。しかしながら時間をとってしまうのでおすすめしない。
2 三角関数とベクトル (1)は内積をとることで解決するのだが各々のスカラーが0でないことを確認する必要がある。スカラーがθに非依存性だということを計算を用いて言及する必要がある。

(2)はスカラー値を求めるに当たっては2乗してルートするという当たり前の解法を取れば素直に解答できる。ここまでは絶対に完答する必要があるだろうが、記述式に慣れていない受験生は範囲の条件の書き方などが甘くなってしまい減点対象となってしまった可能性もある。しっかりと記述式の訓練をしておく必要があるだろう。

(3)は計算がやや煩雑になるもののやること自体は内積が0になることを求めるだけでありかなり平易である。(1)と同様にスカラー値が0になっていないことを確かめる必要がある。記述式ならではの出題だと言えよう。

全体的に方針が思いつきにくいということはなく、計算がやや多いかもしれないが完答も比較的容易に狙える設問である。

やや易
3 二次関数 数列 まず題意の把握に少し手間取るかもしれないが実際に図を書いてみると題意把握は容易。法線という用語を知らない受験生も中にはいたかもしれないが常識なので絶対に知っておこう。法線の方程式を立てて素直に計算することで漸化式をたてるという処理が必要。(1)からして難度が高く、(2)(3)は(1)が解けたら一瞬で解けてしまう。このタイプの問題にある程度精通していなければ(1)すら解答することはできなかったであろう。難度は高めであると言える。(2)(3)は代入するだけであるので(1)を解ききった受験生なら完答は容易であっただろう。また(1)で外積を用いるという手段をとった受験生もいるかもしれないが外積は高校数学の範囲外であるため記述式の解答で使う際は細心の注意を払う必要があるだろう。
4 積分法 全問に渡って方針は簡単に思いつくであろう。媒介変数表示によって表されるグラフについての処理は数学Ⅲをしっかりと学習している受験生なら解き慣れた問題だったであろう。ただし、記述式なので増減表の書き方や極限の求め方など記述式特有の事柄があるので注意が必要。いくら自明だと思っても増減表や極限を書かずして解答するのは避けたほうがいいだろう。また時間が不足気味になってしまった受験生もいたかもしれないが(2)までは速やかに解答可能なので絶対に解答しておきたい。

(1)は代入して計算するだけであり容易。tが実数であるので分母が0にならないことは自明。

(2)は増減表を書いた上で正の極限と負の極限を比較する必要がある。極限の求め方自体も容易であるものの、等号を含めないように気をつける必要がある。

(3)から少し計算量があるものの難問ということはなくオーソドックスな計算を繰り返していくだけである。dy/dxの符号の変わり方に注目して解答するだけである。方針自体はすぐに思いつくであろう。どうせ(4)で使うため、先に増減表を書いてしまってもよいだろう。

(4)曲線自体は増減表から書くことはできるだろう。ただ、増減表を書くに当たって二重根号が出てくるなど計算のややこしい部分が出てくる。極限を用いることで漸近線を見抜く必要もあるだろう。面積に関してはやや計算量が多いもののtanを用いた置換積分自体は定石であるため注意深く計算することで完答してほしい。方針が思いつかないという問題よりは計算が複雑で慣れていない受験生は途中でミスをしてしまうということが起こる問題だっただろう。

標準

傾向と対策

今年から全問記述となり面食らった受験生もいたかもしれない。難度はやや高いものの全く方針が思いつかないという問題は少ないだろう。しかしながら時間が短いため素早く解答していく必要があるだろう。また記述式に慣れておかないといざ試験本番に戸惑ってしまうので日頃から記述式の解答にも慣れておく必要があるだろう。

2018年度入試

科目 解答時間
難易度 ☆☆☆☆☆ スピード ☆☆☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度

傾向と対策


2017年度入試

科目 数学 解答時間 90分
微積、ベクトル、数列を中心に出題される。計算量が多い。 微積 ベクトル
難易度 ☆☆ スピード ☆☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
数Ⅰ
数A
数Ⅱ
(1)因数分解。一旦展開するが工夫が必要 (2)確率。わかっているものは除いて考える。(3)ベクトル。チェバ、メネラウスの定理を用いる。(4)関数の値域。半角の公式で2θに変換する。(5)平方根、対数の計算。正確さが求められる。(6)領域、集合。絶対値を含むグラフの利用。 空欄補充 (1)易
(2)易
(3)やや易
(4)やや易
(5)易
(6)標準
数Ⅱ (1)条件の数式への変換。(2)f(x)を求める。f(x)の導関数が二次以上の式であることを用いる。(3)解を持つ条件と面積の計算。グラフを書いて考える。積分計算が煩雑。(4)最小値を求める問題。増減表を書いて考える。 空欄補充 (1)易
(2)やや易
(3)標準
(4)やや易
数B
数Ⅲ
(1)複素数の計算。(2)数列の漸化式から一般項を導く。複素数による回転を考える。(3)数列の和の計算。|Zi|が等比数列であることを用いる。(4)数列の和の計算。等比数列の和の公式を利用。 空欄補充 (1)易
(2)やや易
(3)やや易(4)やや易
数Ⅲ (1)双曲線と直線の交点についての問題。二次方程式の解の条件に置き換えて考える。(2)二点間の距離の問題。計算が複雑なので、置き換えを上手く用いる。(3)aとbとの関係式を求める。方べきの定理を用いるが、bの範囲に注意。(4)円の方程式を求める。計算が煩雑。 空欄補充 (1)やや易
(2)標準
(3)やや難(4)標準

傾向と対策

全体的に難易度は高くないが、計算量が多い。特に微分積分は毎年出題されているので、計算をしっかりと練習してスピードと正確さを身に付ける必要がある。また、ベクトル、数列からの出題も多い。標準的な問題集の演習を繰り返すことが合格への近道である。

2016年度入試

科目 数学 解答時間
微積に加えベクトルや確率がよく出題される。問題量が多い。 微積 ベクトル
難易度 ☆☆☆☆ スピード ☆☆☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
数Ⅰ
数B
数Ⅱ
(1)(2)数と式。(1)因数分解(2)整数部分と小数部分の計算。
(3)(5)数列。(3)対数をとる漸化式。(5)二項定理を利用。
(4)指数対数。べき関数に直して連立して解く。
空欄補充 (1)(2): 易
(3):やや易(5):やや易
(4): 易
数B
数Ⅲ
ベクトルと微分の複合問題。(1)与式より△ABCの形を考える。(2)(1)で△ABCが二等辺三角形とわかれば、面積は容易く計算できる。(3)Sをaで微分して極値を調べる。 空欄補充 (1): 標準
(2):易
(3):標準
数Ⅱ
数Ⅲ
三角関数、直線と方程式、微分の複合問題。(1)半円と直線の交点を求めることと同値。(2)p=0,q=0,pq≠0で場合分け。(3)弦の垂直二等分線より高さ。Sをdで微分し極値を調査。 空欄補充 (1):標準
(2):標準
(3):標準
数Ⅲ 三角関数、積分、極限値の複合問題。(1)与式を合成し、周期を考える。(2)グラフを平行移動し(1)を用いて式変形し値を求める。(3)区分求積法を利用して、極限値を求める。 空欄補充 (1):やや難
(2):やや難(3):標準

傾向と対策

大問1の小問集合はやさしい問題が多い。大問2、3、4は標準的な問題となっている。試験時間90分に対して問題量が多く、また解答が空欄補充形式なので、正確な計算スピードが要求される。日頃からケアレスミスに注意を払い、計算の精度を上げるようにしよう。

2015年度入試

科目 数学 解答時間 90分
難易度 ☆☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
数学Ⅰ

数学A

数学Ⅰ

数学Ⅰ

数学Ⅱ

数学B

因数分解

場合の数

2次関数

真偽の判定

対数関数・相加相乗平均

空間ベクトル

空所補充形式

やや易

やや易

やや易

標準

数学B

数学Ⅲ

漸化式

無限等比数列

空所補充形式 標準

標準

数学A

数学B

札を取り出す場合の数、確率

数列の和

空所補充形式 標準

標準

数学Ⅱ

数学Ⅱ

数学Ⅲ

直線の方程式

三角関数の合成

直線が通過しない領域の面積

空所補充形式 標準

標準

標準

傾向と対策

難問は出題されないが、計算量が多く、90分の時間で解くには速さと計算の正確さが鍵を握る。大問1の小問集合で、確実に点を取り、標準レベルの大問を最低1問は完答できることが望ましい。

2014年度入試

傾向と対策

スピードを意識した計算を

大問1
小問集合。空所補充式。教科書レベルであるため確実に得点しなくてはならない。

大問2,3,4
記述式。こちらも教科書の章末問題レベルであるが、計算量が多く、時間をとりすぎると時間が足りなくなる可能性がある。小問集合でいかに時間を節約するかがカギである。微分積分、行列はほぼ毎年出題されているため、徹底的に対策を行っておきたい。