福岡大学医学部│生物の傾向と対策
福岡大学医学部の傾向と対策(生物)を、年度ごとに掲載しております。過去から遡って確認する事により、より良い傾向を掴み対策を立てることが可能です。
※難易度・スピードの☆印は5段階評価になります。
2023年度入試
科目 |
生物 |
解答時間 |
2科目120分 |
難易度 |
☆☆☆ |
スピード |
☆☆☆ |
設問別分析表
大問 |
区分 |
内容 |
解答方式 |
難易度 |
1 |
代謝 |
タンパク質の立体構造、酵素(20字) |
論述 |
やや易 |
2 |
体内環境、進化、系統 |
免疫、MHC分子、集団遺伝 |
計算 |
やや易 |
3 |
体内環境 |
恒常性、自律神経、フィードバック |
|
標準 |
4 |
動物の反応 |
ニューロン、中枢神経、筋収縮 |
計算 |
標準 |
5 |
—– |
—– |
— |
— |
傾向と対策
大問は例年5題。記述式、選択式の併用、計算問題や論述問題も出題されている。出題範囲は「生物基礎、生物」。体内の環境、動物の反応、遺伝情報、生殖、発生からの出題が目立ち、その内容も幅広く、豊富。代謝・進化、系統からの出題も多い。実験結果、グラフ、図、表のデータを分析して解答する考察問題が多く出題されている。全体的には標準的な問題であり、全体を読解する力、文章やデータから推定する思考力が求められている。試験時間にあまり余裕はないと思われるので素早く解答したい。
対策として、教科書レベルの知識を確実に把握しておくこと、頻出の動物の反応、遺伝情報の出題にはやや内容の深いものがある。この分野を中心に生殖・発生、代謝、細胞を関連付けて学習する必要がある。実験結果、グラフ、図、表のデータを分析する設問に対しても正しく読みとり結果が何を表すかを読み取る練習をする必要がある。 |
2020年度入試
科目 |
生物 |
解答時間 |
2科目120分 |
|
|
|
難易度 |
☆☆ |
スピード |
☆☆ |
設問別分析表
大問 |
区分 |
内容 |
解答方式 |
難易度 |
1 |
ヒトの眼 |
目に関する生物用語を問う問題。反応の中枢の問題。神経伝達物質の問題。近くを見る仕組みの問題。視物質の問題。神経経路と視野の問題。 |
選択、記述 |
易 |
2 |
光合成 |
C4植物の問題。カルビン・ベンソン回路の問題。炭素固定の問題。CAM植物の問題。C4植物の利点の問題。生態的地位(ニッチ)を問う問題。 |
選択、記述 |
易 |
3 |
遺伝情報 |
クローニングの問題。形質転換の問題。プライマー設計の問題。PCRの仕組みの問題。変性の問題。 |
選択、記述 |
易 |
4 |
免疫 |
リゾチームの問題。ナチュラルキラー細胞の問題。トル様受容体(TKR)の問題。樹状細胞の問題。サイトカインの問題。T細胞受容体(TCR)の問題。移植の法則の問題。 |
選択、記述 |
やや易 |
5 |
生殖発生 |
ウニの産卵期の問題。卵黄膜(卵膜)の問題。エキソサイトーシス(開口分泌)の問題。イオンと電位の問題。先体反応の問題。細胞骨格の問題。 |
選択、記述 |
易 |
傾向と対策
大問数は例年5問であり、選択式と記述式が併用されている。計算、論述が入ることもある。
体内環境と動物の反応からの出題が中心で、この分野について言えば問題も多様である。
その他生殖・発生、代謝、遺伝情報、細胞からの出題も多い医学部的な傾向にある。実験考察は慣れないとやや難な問題もある。
例年通りにやさしい問題が多く、基本的な知識の抜けは許されない。生物用語を教科書レベルで良いので、きちんと理解したうえで標準的な問題を解くのが良い。上記の頻出の分野については図説を利用してさらに深い理解をしておくことと、必ず似たような医学部的な問題を徹底して解いておくこと。実験考察に関しては多少トレーニングを積む必要がある。
文章の長さに惑わされないこと、問われていることは平易なものが多く、生物用語は早く解答し、やや時間のかかりやすい問題や化学に時間を使い、見直しを徹底した方が良い。
本年の生物は特に易しいがその分化学が多少詰まりやすい問題を採用している。簡単だからといって油断せず、正確で早い解答力を養いたい。具体的には9割は獲りたいし、時間も見直しを含めて50分を切る程度で解答したい。 |
2019年度入試
科目 |
生物 |
解答時間 |
120分(2科目) |
体内環境と動物の反応はやや特有の形(医学物的)で他は平易な生物用語を問うことが多い。問題文の長さに惑わされないこと。 |
体内環境 |
動物の反応 |
難易度 |
☆☆ |
スピード |
☆☆☆ |
設問別分析表
大問 |
区分 |
内容 |
解答方式 |
難易度 |
1 |
遺伝情報 |
遺伝の法則、ヒトのABO式血液型、補足遺伝子。遺伝の基本的な問題で簡単なだけに早く解きたく、落としなくないところ。 |
記述
計算 |
易 |
2 |
生殖発生 |
ショウジョウバエの初期発生と卵形成。問われていることは基本的な生物用語のみであるため、落としたくなく、時間も書けたくない。 |
記述
計算 |
易 |
3 |
体内環境 |
自然免疫と獲得免疫。頻出の分野で他よりも知識の要求レベルがやや高い。医学部的な問題となるので、似たような過去問を多く解くことはしておきたい。差が出るとすればこの分野と動物の反応。 |
記述
計算 |
標準 |
4 |
動物の反応 |
脊椎動物の骨格筋の収縮。頻出の分野で他よりも知識の要求レベルがやや高い。計算問題にはこだわりたい。体内環境と同じく、演習は重点的に。 |
記述
計算 |
やや易 |
5 |
進化系統 |
生命の起源と進化。基本的な生物用語のみ。 |
記述 |
易 |
傾向と対策
大問数は例年5問であり、選択式と記述式が併用されている。計算、論述が入ることもある。
体内環境と動物の反応からの出題が中心で、この分野について言えば問題も多様である。
その他生殖・発生、代謝、遺伝情報、細胞からの出題も多い医学部的な傾向にある。実験考察は慣れないとやや難な問題もある。
基本的な知識の抜けは許されない。生物用語を教科書レベルで良いので、きちんと理解したうえで標準的な問題を解くのが良い。上記の頻出の分野については図説を利用してさらに深い理解をしておくことと、必ず似たような医学部的な問題を徹底して解いておくこと。実験考察に関しては多少トレーニングを積む必要がある。
文章の長さに惑わされないこと、問われていることは平易なものが多く、生物用語は早く解答し、やや時間のかかりやすい問題や化学に時間を使い、見直しを徹底した方が良い。 |
2018年度入試
科目 |
生物 |
解答時間 |
120分(理科2科目) |
遺伝情報と代謝を中心に系統発生や生態など幅広く出題される。 |
遺伝 |
代謝 |
難易度 |
☆☆☆☆ |
スピード |
☆☆☆☆ |
設問別分析表
大問 |
区分 |
内容 |
解答方式 |
難易度 |
1 |
生理 |
中枢・末梢神経系の基本的な構造及び代謝内分泌に関する基本的な生理学の問題。下垂体と視床下部の位置は受験生にはやや難しいかもしれないが、他は人体の解剖生理学をきちんと理解しておれば優しい。 |
空欄補充・選択肢 |
標準 |
2 |
生化学 |
電子伝達系・発酵の行われる位置やATPの産生数など、細かい知識が問われる。問七の計算問題は落ち着いて考えれば容易。 |
空欄補充・選択肢・計算 |
標準 |
3 |
生殖・発生 |
受精に関するありきたりな問題。多くの受験生が一度は目にしたことのあるはずの典型的な問題であり、対立遺伝子の組み合わせなど、冷静に解答し確実に抑えたい。 |
空欄補充・選択肢 |
やや易 |
4 |
神経生理 |
アメフラシを題材に、反射の学習を考える問題。介在ニューロンの話など、受験生には見慣れない内容であろう。活動電位に関与するイオンを答えさせるなど、思考力が問われる。 |
選択肢 |
やや難 |
5 |
生態 |
生態における窒素・炭素循環を問う問題。クロストリジウムなど細かな細菌の話から地球温暖化まで、つまりミクロからマクロまで有機代謝の観点から俯瞰する良問である。細菌学についての詳細な知識や地球環境に関する知識(こちらは常識)が無いと解答は難しい。 |
空欄補充・選択肢 |
難 |
傾向と対策
例年、遺伝と生理・生化から一問ずつ出題されており、今年も同様の傾向であった。傾向を押さえた学習で、問1から問4で合格点を目指したい。問5は基礎医学の中でもやや外れた実験的領域からの出題であった。生物学の領域は幅広く、普段から何事もよく観察し、単なる暗記に陥らず事象から論理的に考えるクセをつけたい。 |
2017年度入試
科目 |
生物 |
解答時間 |
120分(2科目) |
基礎的な問題を中心に出題。 |
体内環境 |
動物反応 |
難易度 |
☆☆ |
スピード |
☆☆☆ |
設問別分析表
大問 |
区分 |
内容 |
解答方式 |
難易度 |
1 |
遺伝 |
大腸菌の長さ、バクテリオファージ、ハーシーとチェイスの実験、DNAからmRNAの配列に変換する問題、コドン表を使ったアミノ酸の決定、1塩基置換によって生じるアミノ酸を挙げる問題。 |
補充 |
やや易 |
2 |
生殖発生 |
減数分裂の時期、染色体名称、卵・精子の形成、始原生殖細胞についての問題。 |
補充 |
やや易 |
3 |
動物反応 |
感覚細胞で嗅細胞を選ばせる問題。受容器電位に関する問題。視細胞の種類、錐体細胞の数、音の振動数を聞き分けるしくみ。 |
補充 |
やや易 |
4 |
動物反応 |
ヒトの筋肉について、筋細胞の構造名称を答えさせる問題。実験問題は、神経の刺激から筋収縮までのじかんを計算させる。 |
計算補充 |
やや易 |
5 |
進化系統 |
植物について、維管束、胞子体を持つようになった段階を答える問題。アブシシン酸を答える問題。植物の系統と組織に関連した選択問題。 |
補充 |
やや易 |
傾向と対策
基本的に選択と語句解答だが、短い論述問題や計算問題が出題される年度もある。細胞、代謝、遺伝情報、生殖、発生の出題が主で、生態系の出題は見られない。基礎的な問題が多くあまりミスは許されない。計算問題や考察問題は基礎的な問題を中心に演習するとよい。 |
2016年度入試
科目 |
|
解答時間 |
|
|
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|
難易度 |
☆☆☆☆☆ |
スピード |
☆☆☆☆☆ |
設問別分析表
傾向と対策
2015年度入試
科目 |
生物 |
解答時間 |
120分(2科目) |
|
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|
難易度 |
☆☆☆ |
スピード |
|
設問別分析表
大問 |
区分 |
内容 |
解答方式 |
難易度 |
1 |
|
細胞内の構造体と機能 |
記述式 |
易 |
2 |
|
カサノリの傘の再生 |
記述式 |
標準 |
3 |
|
光合成 |
記述式 |
標準 |
4 |
|
味覚の受容 |
記述式 |
やや易 |
5 |
|
生物の進化 |
記述式 |
標準 |
傾向と対策
基本的事項を問う問題が多い。今年度は特に難問といえるものがなく、これまでのものより全体的に易化した印象 |
2014年度入試
傾向と対策
標準的な問題。データ分析問題に要注意
問題は基礎的で基本的な内容が多いため、教科書、問題集などから基礎的な知識を確実に把握しておく。
動物の反応から多く出題され、中でも神経系・筋肉の分野からは近年五年出題が続いている。難易度がやや高いものもあるため、動物の反応の分野を中心に、ほかの分野も関連付けて学習しておくとよい。
グラフや図表のデータを分析する考察問題が出題されるため、問題の意図を即座に理解し、与えられた情報から解答を導き出す力が求められる。図説を用いて実験の内容確認と理解を深めておくこと。データ分析問題は解き方を身に着けるため、繰り返し訓練をする必要がある。教科書であまり扱われていないような内容の出題もあるが、資料集等で幅広い知識を得ておくとよい。 |