産業医科大学医学部│化学の傾向と対策

産業医科大学医学部の傾向と対策(化学)を、年度ごとに掲載しております。過去から遡って確認する事により、より良い傾向を掴み対策を立てることが可能です。

 

※難易度・スピードの☆印は5段階評価になります。

2023年度入試

科目 化学 解答時間 100分(2科目)
難易度 ☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 理論・無機 アンモニア、熱化学、電気分解 計算、論述 標準
2 理論・有機 反応速度、中和滴定 計算 やや易
3 有機・理論 糖類、浸透圧 計算 やや易

傾向と対策

理論・有機重視の出題。考察力・応用力を求められる計算問題もあるため、時間配分に注意し要領よく解答したい。

理論分野は、基本事項を十分に理解し、標準的な問題を繰り返し演習して応用力を身に着けておくとよい。試験時間に対して計算量が多いため、普段から計算力をつけておく必要がある。無機分野は、化学反応式を書く問題も出題されるため、無機化合物の製法・性質についてパターンに分けて理解するとよい。有機分野は、元素分析、官能基の性質、検出反応、異性体について十分に習熟しておくとともに化合物の特徴をしっかりと把握しておくこと。芳香族化合物、高分子化合物についても確実に理解しておきたい。


2022年度入試

科目 化学 解答時間 100分(2科目)
難易度 ☆☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 無機物質、物質の状態 硫黄、気体 短答式 標準
2 有機化合物 元素分析、C3H6Oの異性体 短答式 標準
3 合成高分子化合物、物質の変化 陽イオン交換樹脂、pH 空所補充、短答式 標準

傾向と対策

出題形式は、2019年度までは大問4題であったが、2020年度以降は大問3題となった。そのうち大問1が小問集合であったのは2017年度までで、2018年度以降は小問集合はなくなった。また、解答のみ記述させる方式であるが、年度によっては数字・記号選択や論述が課されることもある。

理論、有機分野に比べて無機分野の出題頻度は低い。理論分野では化学平衡の、有機では構造決定の頻度が高い。また、計算を伴う問題が、毎年数多くみられる。

難易度は全体で標準レベルであるが、ただ知識を問うだけでなく、考察や計算を必要とする問題が多い。時間配分とともに、手際のよい計算など要領よく解答できるようにしておきたい。

まず、理論分野の計算や無機・有機の化学反応などは自力で導けるようにしておく。そのうえで、標準的なレベルの入試問題で演習を行い、物質・状態の変化や実験操作のプロセスに対応する量的関係などを踏まえた正確な考察を手早く進められるようにしておきたい。


2020年度入試

科目 化学 解答時間 2科目100分
標準的な計算問題に十分な対策を取り早く問題を解く力が必要。 理論 有機
難易度 ☆☆ スピード ☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 理論 リン酸の電離平衡の問題。 計算 やや易
2 有機 窒素を含む芳香族化合物の問題。 記述 やや易
3 有機、理論 ビニロンの問題。 計算、論述 やや易

傾向と対策

大問3,4題で出題様式は空所補充、選択問題、計算問題、論述問題など。理論分野は計算や考察の力を問うものが多く、そういった意味で化学平衡、電離とpH、酸化還元、電池電気分解、溶解度などの問題が多い。特に電離平衡の問題は場合分けと公式を覚えているかで合否に関わる。2020年ではリン酸の電離平衡という平衡の理解がものをいう問題であった。

慣れていないと時間が足りなくなりやすいため、このあたりの計算は十分な演習が必要となる。無機は基本的な問題で、抜けの無い学習を心がけたい。有機は構造決定問題が多く、元素分析、異性体、官能基、検出反応に合わせて各種物質の大まかな分類と性質については使いこなせるようにする。

標準的なものが多く、難易度の割には時間が短く、単純に解けるかだけでなく早さが要求される。ただし2020年は例年より易しく、どちらかというと点を落とさない方が重要であった。


2019年度入試

科目 化学 解答時間 2科目100分
計算問題に十分な対策を取り早く問題を解く力が必要 理論、有機
難易度 ☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 理論 塩の加水分解の問題。緩衝溶液の問題。 計算 やや易
2 理論、無機 陽イオン交換樹脂膜の問題。アルミニウムの工業的製法の問題。 記述 やや易
3 理論 電離平衡の問題。溶解度積の問題。 計算、論述 やや易
4 有機、理論 サリチル酸の合成と誘導体の問題。アセチルサリチル酸の純度測定の問題。 論述、計算 やや易

傾向と対策

大問3,4題で出題様式は空所補充、選択問題、計算問題、論述問題など。理論分野は計算や考察の力を問うものが多く、そういった意味で化学平衡、電離とpH、酸化還元、電池電気分解、溶解度などの問題が多い。特に電離平衡の問題は場合分けと公式を覚えているかで合否に関わる。慣れていないと時間が足りなくなりやすいため、このあたりの計算は十分な演習が必要となる。無機は基本的な問題で、抜けの無い学習を心がけたい。有機は構造決定問題が多く、元素分析、異性体、官能基、検出反応に合わせて各種物質の大まかな分類と性質については使いこなせるようにする。

2018年度入試

科目 解答時間
難易度 ☆☆☆☆☆ スピード ☆☆☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度

傾向と対策


2017年度入試

科目 解答時間
難易度 ☆☆☆☆☆ スピード ☆☆☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度

傾向と対策


2016年度入試

科目 化学 解答時間
出題範囲は、有機(高分子)の割合が多く、理論問題は難易度が高い。 理論 有機
難易度 ☆☆☆ スピード ☆☆☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 理論 【気体の状態方程式・燃焼熱・結合エネルギー】

混合気体の燃焼熱を求める際に、水が液体で存在するのか気体で存在するのかの確認が重要。問題に127℃での飽和水蒸気圧や蒸発熱等の数値が与えてあるのでここで気付いて欲しい。

記述
計算
やや難
2 理論
有機
【溶解度積・ナイロン66・浸透圧を利用した分子量の決定・有機物の構造決定・】

小問全てで計算が必要である。解き方自体は難しいところはないが、要領よく時間をかけずに解きたい。特に、問5は計算の手順によっては大きなロスになってしまう可能性がある。途中で一つ一つの数値を出さずに、最後でまとめて計算しなければならない。

記述
計算
標準
3 有機 【ポリペプチドの一次構造・アミノ酸の種類】

問1では、ビウレット反応はトリペプチド以上で起きることを知っていなければならない。また、A2がジペプチドであることを、不斉炭素原子の数から判断しなければならない。この判断ができれば、アミノ酸の配列の決定はそれほど難しくはない。

記述 標準

傾向と対策

2科目100分の試験時間なので、大問3問の出題でも時間的余裕はなく、他科目との時間配分も考え、要領よく解答していくことが必要である。それぞれの問題の難易度も、標準的な問題の理解がしっかりできていない受験生にはかなり難しく感じるレベルである。時間的にも内容的にも、日頃の化学の学習量がそのまま点数となって現れる問題になっている。

2015年度入試

傾向と対策

スピードを意識した訓練を

時間が短いため効率よく解くことを心がける。計算問題は難問も多く、市販の問題集でパターンを網羅しておく必要がある。化学平衡の正しい理解や理論分野に関する考察力が問われる。有機の構造決定では総合的な知識が問われるため、問題を解く練習を何度も繰り返しておくとよい。無機分野は簡単なものしかされないが、確実に得点することがポイントとなる。


2014年度入試

傾向と対策

スピードを意識した訓練を

時間が短いため効率よく解くことを心がける。計算問題は難問も多く、市販の問題集でパターンを網羅しておく必要がある。化学平衡の正しい理解や理論分野に関する考察力が問われる。有機の構造決定では総合的な知識が問われるため、問題を解く練習を何度も繰り返しておくとよい。無機分野は簡単なものしかされないが、確実に得点することがポイントとなる。