エボラ出血熱とは?(海外旅行に行く方へ)
今、非常に話題になっているエボラ出血熱とはどのような病気で、海外旅行などの際には何に気をつければいいかを簡単にまとめていきます。
エボラ出血熱ってなに?
そもそも、エボラ出血熱という病気が認知されてからの歴史は非常に浅く、最初の発見とされているのは1970代のスーダンやザイールでの流行です。エボラ出血熱はエボラウイルスというウイルスによる感染症であり、今までにサルやヒトへの感染が確認されていますが、本来持っている動物などは依然不明であり、まだまだ研究が進んでいない感染症の一つです。
海外旅行時の注意事項
エボラウイルスへの感染は、感染者または感染者の血液などに直接的に接触することで起こるとされており、ワクチンはまだないことから、感染予防のためにはこの接触を防ぐことが重要になります。従って、流行中の西アフリカへ旅行中は他人との直接的な接触は絶対に行わず(この時期に西アフリカへ旅行される方はいらっしゃらないとは思いますが…)、その他の地域へ旅行される方で心配な方は、他人との直接的な接触を避けていただければ十分な感染予防となるでしょう。(結核などのように空気感染は起きないため、爆発的な流行は今後も起きないと思われます。)
もしもエボラ出血熱にかかったら…
感染の可能性はほぼ0であるとは思いますが、万が一、発症した場合の症状についても記載しておきます。感染から発症までの潜伏期は4日から長くて3週間とされており、初期症状は発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛などです。その後、腹痛や下痢、嘔吐などをきたし、全身的な出血傾向が現れます。データが十分ではないため、致命率は正しいかは分かりませんが、おおよそ60~90%とされています。しかし、現在では感染初期から十分な治療が受けられる環境にあれば致命率はそれほど高くないともされています。
最後に…
エボラ出血熱はメディアなどで大きく取り上げられており、非常に危険な疾患というイメージがあるかと思います。確かに発症すると治療が難しい疾患ですが、感染経路から考えると、注意さえすれば感染する可能性は低く、それほど恐れる必要はあるのでしょうか。それよりも、今でも感染が起こるマラリアや狂犬病などのその他多くの感染症に対しても満遍なく注意を払うことが、お土産に感染症を持ち帰らないために大事なことではないかと私は考えています。
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